不妊手術のメリット・デメリット
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将来的に繁殖を考えていない場合には、将来発生する病気のリスクを軽減することを目的として、早い時期の不妊手術をお勧めしています。不妊手術には、望まない繁殖を防ぐ以外にも下記のようなメリットとデメリットがあります。
メリット
避妊手術 (女の子) |
①特有の行動の減少 発情時特有の神経質な状態や鳴き声の減少、出血がなくなります。 ②病気の予防(乳がん・子宮蓄膿症) 犬では、『乳腺腫瘍』は初回発情前に避妊手術を行う事で99%予防できるといわれています。初回で92%、2回目で手術を行っても74%発生率の減少が期待できるとの報告があります。さらに、それ以降の手術であっても、良性のものであれば発生率は下げられるとのデータもあります。 また、避妊手術を受けていないワンちゃんが7歳以降に多く発症する病気である 『子宮蓄膿症』を防ぐこともできます。 |
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去勢手術 (男の子) |
①縄張り意識の減少 マーキングやマウンティング、攻撃性の減少が期待できます。 ②病気の予防(精巣腫瘍・前立腺肥大) 特に前立腺肥大症は、去勢していないワンちゃんが7歳期以降に多い病気です。 |
デメリット
共通 | エネルギー代謝が落ち太り易くなります。手術前に比べ、20~30%もエネルギー代謝が落ちるといわれており、肥満に関係する疾患(糖尿病、高脂血症など)になりやすいといえるでしょう。したがって、食事や運動といった管理で維持することが必要になります。 |
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手術のタイミングについて
避妊手術 (女の子) |
生後6ヶ月程度で手術を行います。 初回の発情までに行うことが理想的です。 |
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去勢手術 (男の子) |
生後9ヶ月程度で手術を行います。 性成熟し、精巣が十分に発達してから手術を行うことを推奨します。 |