奈良県奈良市の動物病院奈良です。犬・猫の診療だけでなく、鳥類・フェレット・ウサギ・ハムスター・
爬虫類・両生類などのエキゾチック診療も行っております。

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ウサギの健康管理

ウサギの健康管理

当院では、ウサギの診療として健康診断、飼育相談、不妊手術などのご相談から、各種検査や手術などを行っております。特にウサギは上下の歯が生涯伸び続けるため、自身で歯の長さを適切に保つことができなければ歯科関連のトラブルに繋がってしまいます。そういった歯科関連のケアも行っております。

ウサギを家族に迎えたら

1.ウサギの性格と注意点

ウサギは臆病で怖がりであるため、小さな物音に驚いたりとても警戒心が強い動物です。
また、病気になっても具合の悪さを我慢してしまう傾向もあるため、症状が出た時には手遅れになっていることもあります。そのため、便の形や大きさ、数、食餌内容の変化など、日々の様子をしっかりと見てあげて、いつもと様子が違わないかなどを確認してあげましょう。

2.ウサギの食事

ウサギが健康で快適な生活を送っていくためには、腸内環境を正常に保つことが重要となり、毎日の食事で適切な「繊維」を摂取させてあげましょう。

食餌は、生後半年を超えたら牧草を主食とし、ペレットは与えすぎないようにして下さい。牧草をしっかり食べていないと、不整咬合や胃腸うっ滞、肥満を起こしやすくなります。またペレットは、なるべくカルシウム含有量の少ないものを選ぶようにしましょう。摂取したカルシウムがすべて尿中に排泄されるため、結石ができやすくなります。

3.ウサギの飼育環境

ウサギの飼育には個々のテリトリーが確認できるように、十分な広さを確保してあげましょう。
また、温度変化に弱いので、ストーブやエアコンの近くにケージを置いたり、隙間風のあたる窓のそばやドアの近くに置くことは避けましょう。また、臆病な性格でもあり、敏感な耳を持っているため、テレビや音楽機器のすぐ近くなど大きな音の鳴る場所も避けましょう。

一箇所に場所を決めて排尿、排便をする習慣があるため、比較的楽にトイレを覚えてくれるようになります。

基本となる予防を継続して行いましょう

1.歯のチェック(歯切りなど)

ウサギは上下の歯が生涯伸び続けるため、自身で歯の長さを適切に保つことができなければ歯科関連のトラブルに繋がってしまいます。そのため、不正咬合などにならないように、定期的に歯のチェックを行いましょう。前歯の状態は目に見えやすいので飼主様でも気づきやすいですが、奥歯の状態は見えにくいため、トラブルになってからのご来院も多くあります。
「歯が正しく削れる生活」を意識してあげることも歯のトラブル予防のために重要です。牧草中心の食生活とし、ケージやプラスチック、かじり木などの固いものをかじらせないようにしましょう。

2.爪切り

爪切りは飼主様の多くがかなり苦労されている方が多い印象です。庭や屋外で生活してるわけではないので、室内での生活では、爪が削れることもなくどうしても爪が伸びてきてしまいます。
爪が伸び続けてしまうと、引っかけて折れてしまい出血してしまうといったこともよくおきます。
ご自宅で爪切りが難しい場合には定期的にご来院いただき、爪を切ることをお勧めします。

3.ノミ・ダニ予防

最近は「うさんぽ」というように、ウサギと一緒に外をお散歩する方も増えてきました。外に出る場合、外ノミやダニがウサギに寄生する場合があります。皮膚表面に寄生がないかどうかをチェックしてあげましょう。もし、ノミ・ダニの寄生が見つかった場合には、駆除薬を使用します。ウサギに使用できる駆除薬は犬猫と違って限られています。誤って駆除薬を使用すると命に関わりますので、必要となった際は必ず病院にご相談下さい。

不妊手術について

うさぎは犬や猫とは異なり、1年中発情期のある動物です。ウサギは1か月に1日程度は発情が休止しますが、それ以外は「年中発情状態」が続きます。そのため、繁殖を考えない場合は発情時のストレスを軽減してあげるためにも不妊手術をお勧めします。

また、雌のウサギは3歳以上になると卵巣・子宮疾患のリスクが増し、年齢とともに増加していきます。病気のリスクを軽減する意味でも不妊手術を行ってあげましょう。

健康診断について

1.血液検査

ウサギは人間の10倍のスピードで年を取りますので、定期的な健康診断をお勧めしています。
血球測定(白血球・赤血球など)や生化学検査(肝臓酵素など)を行います。
検査項目によっては外部の検査センターに依頼することもございます。

2.視診・触診

一般身体チェックとして、全身の視診・触診・聴診をしっかりと行います。
特にウサギで多い歯のトラブルを防ぐため、口腔内のチェックも行います。

ウサギに多い病気について

1.食滞(食欲不振)

食滞は繊維質の摂取不足、毛などの異物摂取、ストレス、歯のトラブルなどから、胃腸の機能が低下して発生します。症状としては元気が無くなる、食欲不振、お腹を痛がる、便の減少や異常、腹囲膨満などがあります。

治療は多くの場合に、点滴や内服などの内科的療法を用いて行います。また、食べない状態が続く場合は流動食の強制給餌を行うこともあります。

2.切歯・臼歯の不正咬合

ウサギの歯は生涯伸び続けるため、自身で歯の長さを適切に保つことができなければ、歯並びが悪くなり不正咬合を引き起こすことがあります。不正咬合が起こると食事ができなくなることもあり、食滞の原因ともなります。

食欲不振、よだれや涙が出る、歯ぎしりをする、硬い物を食べない、などの症状が出ることがあります。
治療は歯の咬合の状態をチェックして、定期的な歯科処置(切断・研磨)を行います。臼歯の過長の場合は、全身麻酔下で歯を削ります。

3.子宮疾患

不妊手術をしていない雌ウサギは、高確率で子宮の病気になります。早い段階で陰部からの出血により気づくこともあれば、気づいた時には子宮の腫瘍が肺に転移してしまっていることもあります。また、2歳までの若齢で突然大量出血を起こし致命的になることもありますので、早めの不妊手術が推奨されます。

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