当院ではインコの一般的な診療から健康診断、飼育相談、発情抑制指導や食餌管理など、幅広く対応しております。
健康診断では糞便検査やそのう検査、また、必要に応じてレントゲン検査やエコー検査、血液検査を行っております。感染症の遺伝子検査は、当院で検体を採取し、外部の検査機関へ委託診断致します。
インコを家族に迎えたら
1.インコの性格と注意点
インコは数多くの種類があり、性格はそれぞれに大きく異なります。
また、好発する病気も哺乳動物とは全く異なり、種類によって様々です。インコをお迎えしたら、まずは健康診断を受けて種類に応じた注意事項を確認しましょう。
2.インコの食餌
従来用いられてきたインコの食餌は、粟、稗、黍などの「皮付き餌」です。但し、それだけだと栄養が欠如しているため、ビタミンやヨード、カルシウムなどを添加する必要があります。近年普及してきているのが、総合栄養食である「ペレット」です。インコに必要な栄養素がすべて含まれているため、ペレットの普及とともにインコの栄養性疾患は減少し、長生きする子が増えています。皮付き餌に慣れていると、ペレットへの移行が難しくなります。小さいうちからペレットを食べられるように慣らしておくことをお勧めします。
3.インコの飼育環境
大抵のインコは、温暖な環境に生息しているものです。飼育下でも、しっかりとした保温が必要です。
放鳥は、落ちているものを食べたり何かをかじったりドアに挟まれたり鍋に飛び込んだりしないように、人が集中して見ていられる間だけにしましょう。家内での事故で病院に連れてこられる子が後を絶ちません。
インコの種類によっては、発情をしやすい場合があります。飼育環境を変えることで抑えられることもありますので、発情や産卵が続く場合はご相談ください。
インコに多い病気について
1.胃炎
嘔吐をしていると、昔はよく「そのう炎」と診断されていましたが、実は意外と多いのが胃炎。特にセキセイインコでは、胃炎の原因となる「メガバクテリア」という菌が多く蔓延していて、嘔吐や体重減少、食欲不振、黒色便などを引き起こします。
2.鼻炎、副鼻腔炎
軽度なものは鼻水やくしゃみ、重度になると鼻が閉塞したり副鼻腔に膿がたまって目が腫れてきたりします。また、下部呼吸器に進行して肺炎や気嚢炎を発症すると、命に関わる呼吸器障害を起こします。
3.金属中毒
インコは光るものが大好きで、見つけるとかじって飲み込んで、中毒を起こします。
中毒の重症度は金属の種類によります。鉛や亜鉛は重篤な症状を引き起こし、命に関わることも多々あります。銅などは中等度、アルミは軽度にとどまります。
飲み込んだ金属は筋胃とよばれる2つ目の胃に留まり、そこから溶け出した金属イオンが血中に取り込まれ、神経麻痺や嘔吐、腎障害による脱水などの症状が現れます。
筋胃から金属を取り除くことはできないため、金属イオンの解毒剤を投与しながら自然と流れ出すのを待ちます。
放鳥中目を離さないようにすることと、少しでも怪しい行動があり、嘔吐などの症状が見られる場合は必ず病院でレントゲンを撮ってもらうようにしてください。