呼吸器科

呼吸器疾患はこじらせると急激に悪くなることが多く、また慢性化しやすい部分でもあります。早期のご来院をお勧め致します。

鼻炎・副鼻腔炎 

鼻腔や副鼻腔における、細菌感染、真菌感染、ウイルス感染(特に猫の鼻気管炎ウイルス)、アレルギーなどで生じることが多く、上部気道疾患に分類されます。

下部気道疾患と比較して重篤になることは少なく、抗生剤の投与により治癒することが多いです。但し、免疫不全や糖尿病など、基礎疾患が存在する場合はなかなか治癒しないケースもあります。また、慢性化すると炎症により鼻の骨が融解(溶ける)して顔が変形してしまったり、薬が届きにくくなるため治らなくなったりします。 上部気道疾患が重篤化、慢性化すると、肺炎や気管支炎などの下部気道疾患へと進行することもあります。

また、鼻腔内腫瘍が存在する場合があります。抗生剤の治療に反応が悪かったり出血を伴う鼻炎の場合は鼻腔内腫瘍の有無を画像検査(CTやMRI)により調べる必要があります。

歯石が付着している場合、歯肉炎から歯根膿瘍となり、その膿が鼻へと伝わる瘻管により鼻腔から排出される場合があります。その場合、問題となっている歯を抜歯して、膿を洗浄、排除しなければなりません。

 

細菌検査は鼻腔からの浸出液や排出物を綿棒で採取する、鼻腔内スワブという検査が有用です。細菌培養や抗生剤の感受性検査、また鏡検による病原体確認が出来ます。

臨床症状や画像検査により腫瘤病変が疑われる場合、その細胞診や組織検査には全身麻酔下での鼻腔内視鏡が有用です。

鼻梁の骨が骨融解によって一部欠損している場合、内視鏡を用いずに外から針生検を行うことができます。

また、鼻腔内リンパ腫の場合、鼻汁の鏡検で診断できることもあります。

気管虚脱

 小型犬に多く発生し、持続性の発咳と呼吸困難を生じる病態です。

気管軟骨がその硬度を失った結果脆弱になり、筒状の構造が崩れて虚脱し、部分的に狭窄することによって発咳が起こります。

コンドロイチンを始めとした気管の結合組織の減少などが原因としてあげられていますが、根本的な原因は不明です。

 

特徴として、ガーガーというガチョウの鳴き声のような咳をする、と言われていますが、初期や安静時の症状は他の呼吸器疾患でも認められるような咳であり、症状のみでは鑑別がつきません。診断には呼気時、吸気時、発咳時のレントゲンが必要となります。

 

内科的治療では、鎮咳剤、気管支拡張剤、去痰剤、消炎剤などを用いて症状緩和を行いますが、根本治療ではないため完治は望めません。

外科的治療が今後、完治への有力な治療法となることが期待されます。