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セキセイインコのPBFD

naoto最近病院に仲間入りした、セキセイインコのナオトくん。まだ挿し餌中のピヨピヨです

PBFD1

PBFD2

PBFD3

こんにちは、豊島です。

お迎えしたセキセイインコのヒナに、PBFD(オウム類の嘴羽毛病)症状が現れました。

風切羽が急に抜け出したため、怪しく思い羽軸部分を見てみると、上の写真のような羽軸壊死(羽の付け根が黒く変色して壊死を起こしている)が確認されました。

またメガバクテリア感染もあり、病院に来て2日後くらいまでは大量に吐いたりして助からないかと思いましたが、現在は元気にご飯を食べ、体調は持ち直してくれています。

抜けた風切羽の跡には新生羽も見え始めました。これが壊死して抜け落ちることなく、順調に生えそろってくれれば、ウイルスにも打ち勝ったといえるでしょう。

ナオトくんは今も、インターフェロン治療中です。

PBFD4 lovebird PBFDPBFDについて

この写真は、病状(脱羽)の進んだPBFD感染鳥です。

原因ウイルスは、サーコウイルスという強くて小さいウイルス。非常に強い感染力を持ちます。

感染経路は空気感染で、羽から出る粉や体の分泌物、排泄物を介して呼吸器経路からも消化器経路からも感染を起こします。つまり、粉を吸い込んだり吐き戻しをもらったり便を口にしたりすることで、感染が成立します。

感染したら今度は発症。急性期症状は、発症後すぐに現れる全身症状で、沈鬱・膨羽・嗜眠・食欲不振・嘔吐・まれに貧血を呈することもあります。 感染症の特徴的な症状である、緑色尿酸の排泄も、一つの手がかりです。

急性期を免れて慢性期になると、羽の症状のみが残ります。

抜けた羽は生えてきますが、その新しい新生羽もまた、次々羽軸壊死を起こして抜け落ちる、これが延々と続くため、写真のような不完全な羽に覆われるのです。

羽以外の症状はないため、本人は元気に過ごしてくれることが多いですが、ウイルスにより免疫不全を起こしているためか長生きは望めません。調子がよくても突然亡くなってしまうこともあります。

予後は鳥種によって様々です。

ナオトくんのようなセキセイインコは比較的まだ希望が持てるといえます。

発症しても、その何割かは自らの免疫力でウイルスを排出して完全に治ってしまいます。

その手助けをしているのが、インターフェロン治療というわけです。

慢性期症状となった場合、数年間元気に過ごせる子が多いですが、免疫不全であるため油断は禁物です。

ラブバードは、発症すると予後は悪くほとんどが1年以内に亡くなってしまいます。しかしこの鳥種は、感染しても発症することなくウイルスを排泄し続ける(不顕性感染)、キャリアーとなることがあります。

セキセイインコやラブバードは、白色オウムやヨウムほどはウイルスに対する感受性が高くない、つまり、接触したとしても必ず感染が成立するわけではなく、一緒にいたとしても病気が伝染らないこともあります。

しかし、オウムやヨウムなどは非常に感受性が高く、感染しやすくて発症しやすい上に、予後は非常に悪いです。数ヶ月の内に亡くなってしまうでしょう。

そのため、白色オウムの幼鳥の側にラブバードやセキセイインコの幼鳥を置くことはとっても危険だということを、特に動物取扱業の方には知っておいてもらいたいところです。