カテゴリー:獣医コラムの記事一覧 35 件

ハリネズミの子宮疾患

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その愛らしさから最近飼育頭数が増えつつある人気者、ハリネズミ。

このハリネズミで、雌の子宮疾患の発生が多い傾向にあることがわかってきました。

出血を伴う子宮内膜の異常や、癌などの腫瘍を患うこともあります。

 

特に雌で陰部出血を認めた場合は早期の摘出手術が推奨されます。

ハリネズミ子宮1

今回、陰部からの出血があり超音波で子宮の拡張を認めたハリネズミの卵巣と子宮を摘出しました。

左右の大きさの不整から、内側に何かができていることがわかります。

 

 

病理検査では、「子宮内にあったのは良性のポリープ状腫瘤で、摘出状態も良好」とのことでした。

コハリ

ハリー

ウサギの子宮疾患の多さは広く知られていて、疾患予防のための不妊手術を行うケースも増えているように思います。

ハリネズミでも子宮疾患発生率は高く、早期の発見、手術が望ましいことから、予防的な不妊手術を推奨した方がいいのかもしれません。

猫の胆石

ニャンタ胆石

1週間前から食欲がなく、重度の脱水と低体温を起こして来院した猫で、胆石が見つかりました。

幸いにも胆石は胆道を閉塞しておらず、全身状態を改善させてから手術を行うために数日間点滴する猶予がありました。

ニャンタ胆嚢

ニャンタ胆嚢と胆石

摘出した胆嚢と、その中に入っていた胆石です。

手術の後は、その夜からご飯を食べ始めてすっかりご機嫌な様子。

無事手術できてよかったですね!

ニャンタお腹いっぱい食べたにゃ

 

オス猫さんは、この時期危険信号かも!?

ボンin母屋

秋も深まり、冷え込みが厳しい季節がやってきました。

この時期、彼らにとってピンチとなるかもしれない事象が多発します。

さて、その彼らとは・・・

 

「オス猫」

 

 

では、そのピンチとは何でしょうか???

 

こんなこと、感じたことはありませんか?

・寒くなって暖かいところに潜ったままで、お水を飲みに行く姿をあまり見なくなったかも?

・寒くなってトイレの回数がチョット減ったかも?

・ここ最近トイレにしょっちゅう行ってて、中にはおしっこが出ていないこともある。

・おしっこの色や臭いが変わった???

 

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これは尿中の結晶、ストルバイトです。

そう、ピンチとは膀胱炎

写真のような結晶や、結晶により炎症や出血の起こった際に降りてくる血の塊や粘膜、それがオス猫では高確率で尿道内に詰まってしまい、結果おしっこが出なくなって尿毒症、急性腎不全を起こしてしまうのです。

ストルバイトの検出されない特発性膀胱炎でも、炎症性物質は尿路閉塞を引き起こします。

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二足歩行?

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四足歩行

四足歩行の犬や猫は、人と違って膀胱の出口が垂直を向いていないので、膀胱の痛みや違和感を感じにくいと言われています。

元気や食欲がなくなったり、吐いてしまったりという症状が出た時には病態がかなり進行している可能性が高いです。

 

また、尿路が完全に閉塞してしまっている猫は、尿道に管を通して詰まらせている原因物質を押し流し、膀胱内が改善するまで尿道カテーテルを入れた状態で入院が必要となります。

場合によっては尿道がどうやっても開通せず、会陰部に尿道を開口させる手術が必要となることもあります。

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そんな悲惨な目に合わないようには、どうすればいいんでしょうか・・・???

 

 

尿検査です。

 

実際に秋の健康診断で行った尿検査でストルバイト陽性だった猫は7割でした。

 

大変なことになる前に、あなたも尿検査をしておいた方がいいかも・・・?

尿検査をご希望の方は、なるべく当日か、前夜のおしっこを容器に取ってお持ち下さい。

 

どうやってとればいいの?という方、スタッフが丁寧にご説明致しますので、病院にお問合わせください(*^^*)

10/8は鳥類臨床研究会の第21回年次大会でした

鳥類臨床研究会

鳥臨研要旨と抄録

今年も開催されました鳥類臨床研究会年次大会。伊丹ー羽田の日帰りで行って来ました。今年は特に、腸結石の症例が多く目立ったように思います。

致死率が高いと思われていた腸切開の手術ですが、7割の成功率が得られていて、然るべきタイミングでの外科手術の重要性を感じました。

鳥類の多様性は驚くほど広く、同じ鳥でも病気の種類や疾患の現れ方などが多岐に渡ります。特に小型の鳥類の臨床は、検体を多く必要とする検査や侵襲性の高い検査には限界がある点や、すぐに手術に踏み込めない事例も存在する点などから、まだまだ犬や猫に比べて解明されていない病気が多く、こういった発信の場がとても貴重でありがく思っています。

また、情報を頂くばかりでなく提供できるように、普段なかなかご提案できずにいる剖検も、進んでご協力いただけるようにご提示させてもらえるよう、日頃から心掛けが必要だと感じます。

病院のシロちゃん、手術しました。

2年前の3月、低血糖を起こして運ばれてきたシロちゃん。

膵臓にインスリノーマという腫瘍があり、その腫瘍がインシュリンを多量に放出しているため低血糖を起こしていることが判明し、手術により無事膵臓の腫瘍を摘出しました。

再発率80%と言われる犬のインスリノーマですが、シロちゃんはその後致死的な低血糖を起こすことなく、むしろ高血糖でインシュリンを注射し続けて2年が経過しました。

ところが7月半ばになって再度血糖値が下がり、CTを撮った結果リンパ節転移の疑いと診断され、手術でリンパ節を摘出することになりました。

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2度目の手術にも、シロちゃんはしっかりと耐えてくれて、麻酔覚醒後すぐに立ち上がる姿勢を見せました。また、術後すぐから血糖値はどんどん上がり、またインシュリン注射を打つ日々に戻りました。

お腹の縫合部を熱心に舐めてしまうので、90cmの子供服を2着買って交替で着せました。どっちもとってもよく似合っていて、また病院の人気者になったね♪

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今日はモルモットさんの乳腺腫瘍の手術でした

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モルモットは哺乳動物にしては珍しく乳房が二つしかありません。

出産の際には一度に3匹、4匹と産まれてくるのですが、妊娠期間が2か月と長いため、生まれたての子モルたちはもう立派に毛と歯が生えていて牧草だって食べられるのです。そのためあまり授乳の必要がなく、子供の数の乳首を用意する必要もないのでしょう。

本日手術をしたモルモットさんは右の乳腺と左の乳腺両方に腫瘤ができていました。

写真は右側の乳腺です。

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左側の乳腺腫瘤は右よりも小さめ、この数日のうちにできたものでした。

 

切除した腫瘤は、病理検査をして良性か悪性か判断します。

手術にはこういった、組織の検査判定をするという目的も大いに含まれます。

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術後まだ間もない時の様子

まだあまり意識が戻っていないようです。傷口を噛まないように、服を着てもらいます。

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3時間後には生牧草をモリモリ食べてくれるようになりました。

どうやら生チモシーより生イタリアンライグラスと生オーチャードグラスのほうがお好みのようです。

ベビーリーフも喜んでくれました。

この生牧草とベビーリーフ、実は全て病院での自家栽培なんですよ(*^^)v

小鳥の金属中毒にご注意を❢❢❢

金属中毒

鉛の神経毒による、神経症状の一つが、ナックリングと呼ばれるこの症状。肢の指が麻痺したようになり、前方へ流れてしまっています。

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中央より右寄り、5つほど散らばって見える小さな光る粒、これが飲み込んでしまった鉛です。筋胃拡張によりバラバラに散らばっています。こうして胃に留まっている間に、胃粘膜から鉛が吸収されていきます。

鉛中毒は、金属中毒の中で最も重症となり命を落とす危険性のある病気です。

嘔吐、濃い緑色の便、食欲廃絶、脚の麻痺、ふらつきや意識混濁などの神経症状、多飲多尿、血尿、などが、症状として現れます。

体内では、激しい胃腸障害と神経障害、急性腎不全が進行していきます。

解毒剤として鉛を中和するキレート剤を用いて治療しますが、進行してしまった胃腸障害や神経障害、腎不全はもとに戻らないこともあり、それによって死亡するケースもあります。

金属の量が多くないこと、また早い段階からの治療が、その成績を向上させると考えられます。

ぺットバードに鉛中毒が多発するのはなぜか?

それは、①鳥は光るものが好きだから

    ②放鳥中眼を離すことが多いから

    ③家庭環境内に実は鉛が使われているものが存在するから

では予防するにはどうすればいいのでしょうか?

それは、「知っておくこと」だと思います。

①は変えようがありません。②は気をつけることはできても100%に近づけるのはなかなか難しい。③は、知っておきさえすれば100%に近い確率で防げる原因です。

それでは、現在の家庭内環境において鉛が使われている可能性のあるものを覚えておきましょう❢

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台所の五徳;最近では鉛が使われているものは少なくステンレス等であれば危険性もありませんが、古いタイプのガスコンロですと鉛性の五徳が使われていることがあります。台所に冒険しに行って、色々と落ちている物をついばんでしまうインコさんはご注意を。

カーテンの重り;カーテンの裾に重りとして鉛を入れてあることがあります。布をかじったら中から固いおもちゃがでてきて、その噛みごたえがとっても楽しい❢というような感じで夢中になってかじって飲み込んでしまいます。魅力的なおもちゃですので、ご注意を。

他では、亜鉛メッキや銅製品などでも胃腸障害を起こすことがあります。

鳥さんが齧って遊んでしまう可能性のあるものには、極力ステンレスを使用している物を選びましょう。それが無理なら、放鳥中は決して目を離さないことです(`・ω・´)ゞ

本日はチェリーアイの手術を行いました

before 正面

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before 横顔

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after 正面

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チェリーアイ整復!!

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開眼器を眼瞼に掛けて、第3眼瞼突出部の上下にナイロン6-0を掛けて牽引します。

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第1切開線の作成

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第2切開線の作成

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2つの切開線を縫合します。

チェリーアイは瞬膜腺脱出の俗称で、瞬膜の縁を超えて第三眼瞼腺(瞬膜腺)が脱出した状態をいいます。

ビーグル、コッカー・スパニエル、ペキニーズ等によくみられます。

幼若犬で初期の場合、無麻酔科で元に戻してあげることで出なくなる場合もありますので、出たら早めに動物病院へ連れて行って下さい。

放っておくと、突出部の擦過傷や、乾燥して炎症や過形成を引き起こしますので、早期の外科的整復をお勧めします。

とりもちに捕まってしまったツバメ

ツバメ2

ツバメ1

「家にツバメが飛び入って来て、外に出そうとしたけどツバメがパニックになってしまい、ネズミ取り用のとりもちにひっついてしまった」

お腹から翼まで、べったりとりもちに張り付いている、無残な姿のツバメが運び込まれてきました。

粘着性のものを剥がす薬品はいろいろありますが、生体に強い薬品は使えません。

まして、相手が鳥となると刺激臭を発するものは命を落とす危険性が高く、決して用いません。

こんな時意外に効力を発揮するのが、「油と粉」。

粘着質を粉が吸着し、油が剥がしてくれます。

小麦粉オリーブオイルなるものを作成し、ベタベタの羽根に揉み込んではお湯で洗い落とす、の繰り返し・・・。

体中の羽根という羽根がくっつき合って身動きできず、ぐったりしていたツバメでしたが徐々に身体の自由を取り戻し、動いたり飛ぼうとしたりし始めました。

油がついていると重くて思うように飛べないため、可能な限り除去して飛べるかどうか確認し、2日後に放鳥しました。

さすがはツバメ、手の中から飛び出した後は一瞬で遠く遠く姿が見えないところまで飛んで行きました。